Alluka、新作出るってよ

『黒スラックスなんてなんぼあっても良いですからね』

 

Algernonの26SSはパンツからスタートする。モデルはAlluka。ブランドが定番でリリースしているパンツで、かつ一番人気のパンツになる。Allukaについてはこちらの記事でとくとくと語っているので、気になる人はご一読いただけると嬉しい。

Allukaというパンツにはデザイナーも僕も確かな手応えを感じていて、リリースを重ねる度にファンが着実に増えていることを肌感覚でも理解している。既にこのパンツを所持している人が、2本3本と購入を続けていく姿を見ることも多くなってきた。なので今年はAllukaを昨年以上のバリエーションで提案出来るように現在準備をしている。期待してほしい。

 

 

 

Allukaというパンツのことをご存じない方のためにざっくりとこのパンツのことを説明すると、スラックスのパターンで作られたパンツながらウエストは紐仕様のドローストリングパンツで、スラックスのきっちり感とパジャマパンツの楽さを兼ね備えた一本になっている。

僕は今まで本当に沢山の服を買ってきて、それと同時に沢山の服を手放してきた。そしてその中でもずっと手放さずにクローゼットに残り続ける服が一定数存在していて、それら全てに共通していたのが『楽して着れて、楽しているように見えない服』ということだった。

楽に着れる服はとても良い。生きているだけでも疲れるのに、それに加えて毎日の仕事や家事や育児で忙殺される自分自身を労るために、せめてリラックスして着れる服に袖を通したいと思うのは僕だけでは無い筈だ。だが、楽して着れる服=楽しているように相手からも見える服ではないことも付け加えたいし、相手から楽しているように見える服を大人が着ることに対して、僕はあまり好意的な印象を持っていない。

 

 

 

 

例えばリラックスウエアを着ていた日に、突然誰かから会食のお誘いがあるかもしれないし、或いは展示会に出向く必要が出るかもしれない。僕自身が最近痛感しているのだが、こうしたことは大人になると割と頻繁にある。そしてそんなチャンスが目の前に転がっている時に『でも今日の服装だと場違いだよな』と思って機会を損失するのはとても勿体無い。かと言って上記したようなシチュエーションを加味して、日々かっちりとした服に身を包んでいては、心も身体も凝り固まってしまうのではないだろうか。少なくとも僕は気が休まらない。

理想としては『着用者本人はリラックスして着れて』『かつ周りからはきちんと見える服』なのではないだろうか。こうした塩梅の服を欲している僕くらいの年齢の大人は結構いるのに、実際に世の中を探してみると意外とこの塩梅の服は少ない。そのこともこのAllukaが長く支持されている理由の一つなのだと思う。

気張って着る一張羅の服(所謂ハレの日の服)の面白みも理解しているし、それについて否定意見を述べる気はさらさら無いが、一年に数度しか着ることのないハレの日の服よりも、毎日の生活の中で肩肘を張らずに着用するイメージが持てる服の方が、今の自分自身の気分にしっくりくる。当たり前の生活の中で輝く服が僕は好きだ。

 

 

 

 

僕はパジャマパンツが好きで新品古着を問わずに複数本を所持しているのだが、『ウエストが紐である』だけでも着用時にとてもリラックスできると感じている。椅子に座って作業をする時も紐を緩めてしまえば良いし、ベルト特有の重量から腹部が解放された時のあの開放感は、一度味わってしまうともう戻れないとすら思っているくらいだ。

だがパジャマパンツはその楽さに比例してシルエットもリラックスした物になる。元々は就寝時の着用を想定して作られたパンツなのだから当然だ。その塩梅のパジャマパンツは世の中を探せば簡単に見つけることは出来るし、そもそも『楽して着れて、相手からも楽しているように見える服』は僕の求めている服ではない。そこで作ったのがこのAllukaだ。

前述した通り、Allukaはウエストが紐仕様のパジャマパンツながら、スラックスのパターンを用いた一本になっている。程よくゆとりのあるシルエットに柔らかい生地を載せているので、歩くたびにふわふわと柔らかく揺れる。そして今回はトロットロの黒ウールで作ったので、よりこのパンツのシルエットの良さを堪能出来る仕上がりになっている。まさかこの上等な生地のスラックスが、実はウエストが紐仕様のイージーパンツとは誰も思わない筈だ。楽して穿いているのに楽しているように見えない、この塩梅が僕の提案したい一本だと声を大にして言いたい。

 

 

 

 

ウエストが紐仕様のパンツは楽に履けるだけでなく、より広範なターゲットにおすすめ出来ることもポイントになる。紐を絞ればかなり広いウエストサイズに適応出来るので、サイズに関してはウエストサイズよりもレングスを第一に選んでほしい。参考までに僕は普段サイズ1を穿くし、腰骨が出っ張っていない体型なのでパンツ選びには苦労するが、このAllukaに関してはサイズ3でも紐をギュッと絞ればウエスト周りは安定して穿ける。

ウエストが紐仕様だからこそ、パンツを穿く位置の微調整が通常のベルトループ仕様のパンツよりも容易だということもお伝えしたい。履く靴によって裾の溜まり方(クッション)を気にする男性は多いと思うが、このパンツならクッションの微調整も容易だ。裾幅も十分に確保していて、ボリュームのあるスニーカーでも裾を被せて履くことが出来る。個人的には柔らかいウールのパンツだからこそ、少し裾を溜めて穿くと足元にニュアンスが出ると思う。

今まで複数回このAllukaはリリースしているが、その度に完売してしまい買えなかったという声が届いている。そんな人たちに提案したくて、今回はファッションの基本のキである黒ウールで作ってみた。オールシーズンで穿き倒せるトロトロに柔らかいウール生地をチョイスした。そしてウォッシャブルウール仕様なので自宅で洗濯できることも付け加えておきたい。自分でケアできることはいざという時に想像以上のアドバンテージになるし、いざという時に着ていて困らない服は、何だかんだで着用頻度が増えていくものだと思っている。

ファッションを楽しむための基本の一本を、ブランドで一番人気の形で作ってみた。きっと多くの人にとっての定番パンツになると確信している。一月半ばから予約を受け付け、三月頃にお渡し予定だ。店頭にサンプルも展示しているので、気になる方は一度穿きにきてほしい。これだけ長々とこのパンツについて語ってきたが、結局は実際に穿いた時の衝撃の方が、何倍も何十倍も勝るのだから。